「ひとりで気楽に暮らしているけれど、もし自分に何かあったらお金はいくらかかるんだろう?」そんな不安を感じていませんか? 特に40代から60代にかけては、親の介護や自身の健康、定年後の生活が現実味を帯びてくる時期です。
「おひとりさま」とは、単に未婚の方だけでなく、離婚や死別を経験された方、お子さんがいても遠方に住んでいるなど、いざという時に頼れる身内がそばにいない状況の方を指します。 厚生労働省の調査では、すでに全世帯の3割以上が「単独世帯」となっており、おひとりさまの終活は今や特別なことではありません。
この記事では、プロの視点からおひとりさまの終活に必要な費用の相場を項目ごとに詳しく、かつ分かりやすく解説します。読み終える頃には、将来への漠然とした不安が「具体的な準備」へと変わっているはずです!
1. おひとりさまの終活費用は総額でいくら?まずは全体像を把握しよう
終活にかかる費用は、何をどこまでするかによって大きく変わります。 一般的な調査では、終活にかかる平均費用は約500万円というデータもありますが、これは資産運用やリフォーム、不動産の処分などを含む金額です。
一方で、医療や介護、葬儀、お墓、さらには相続手続きまで含めると、状況によっては1,400万円程度の見積もりが必要になるケースもあります。
「そんなに払えない!」と驚く必要はありません。 終活の費用は一度に支払うものではなく、段階的に発生するものです。 おひとりさまの場合、家族のサポートが得られない分、「誰に何を託すか」という法的な契約費用が重要になるのが特徴です。
まずは、自分にとって必要な項目がどれか、以下の解説を参考にチェックしてみてください。
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2. おひとりさま特有の「安心を買うための費用」:見守りと身元保証
おひとりさまの終活で最も優先順位が高いのが、生存中の「見守り」と、入院や施設入居時の「身元保証」です。
孤独死を防ぐ「見守りサービス」の費用
「もし自宅で倒れて誰にも気づかれなかったら……」という不安を解消するのが見守りサービスです。
• 自治体のサービス: 原則無料〜低額で、安否確認を行ってくれる場合があります。
• 郵便局の見守りサービス: 月額2,500円程度で、定期的な訪問や電話での確認が受けられます。
• 民間企業のサービス: 月額2,000円〜14,000円程度。センサーで異常を検知したり、緊急時に駆けつけてくれたりするタイプもあります。
入院や入所に欠かせない「身元保証サービス」の費用
病院への入院や介護施設への入所時には、ほとんどのケースで「身元保証人」を求められます。 頼れる親族がいない場合、専門の保証会社を利用することになります。
• 初期費用の目安: 30万円〜50万円程度。
• 内容: 入院・入居時の保証だけでなく、緊急連絡先としての対応や、必要に応じた生活サポートが含まれることもあります。
3. 「3つの契約」でおひとりさまの人生を切れ目なく守る
おひとりさまが自分の意思を最期まで貫くためには、「財産管理」「後見」「死後事務」の3つの契約が最強のセーフティネットになります。
① 判断能力があるうちに頼む「財産管理等委任契約」
病気やケガで体が不自由になり、銀行へ行けなくなった時などに備える契約です。
• 作成費用の目安: 5万円〜15万円程度。
• 月額報酬: 専門家に依頼する場合、月1万円〜5万円程度が相場です。
② 認知症に備える「任意後見契約」
将来、認知症などで判断能力が低下した時に、自分の代わりに財産管理や介護契約を行ってもらうための準備です。
• 作成費用の目安: 公正証書作成などの手数料で2万円〜3万円。専門家への報酬を含めると10万円〜20万円程度。
• 開始後の月額報酬: 後見人への報酬(3万〜6万円)と、後見監督人への報酬(1万〜3万円)が必要になります。
③ 亡くなった後の手続きを託す「死後事務委任契約」
おひとりさまにとって「最後の砦」となる契約です。 死亡届の提出、葬儀の手配、遺品整理、公共料金の解約、SNSの削除などを代行してもらいます。
• 作成・執行報酬: 60万円〜130万円以上。
• 預託金(預け金): 葬儀費用や実費精算のために、事前に150万円〜200万円程度を預けておくのが一般的です。
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4. モノとお金の整理:生前整理と遺言書作成にかかる費用
早めに取りかかることで、将来のコストを大幅に抑えられるのが「整理」の項目です。
「生前整理・断捨離」にかかる費用
元気なうちに自分で進めれば、自治体のゴミ回収費用だけで済みます。 しかし、業者に一括で依頼する場合は広さに応じて費用がかかります。
• 1K・1Rの場合: 3万円〜。
• 3LDKなど広い場合: 20万円〜50万円程度。 おひとりさまの場合、荷物を減らしておくことは、後の遺品整理費用の節約に直結します。
「遺言書」の作成費用
おひとりさまの場合、遺言書がないと大切な財産が最終的に「国のもの」になってしまう可能性があります。
• 自筆証書遺言: 自分で書くため費用はほぼゼロ。法務局に預ける場合は手数料3,900円がかかります。
• 公正証書遺言: 公証役場で作成する確実な方法。手数料や証人の謝礼などで5万円〜10万円、専門家への依頼を含めると10万〜20万円程度かかります。
5. 葬儀とお墓の費用:自分らしい最期を形にする
最近はおひとりさま向けに、管理の負担が少ないプランも増えています。
葬儀費用の目安
• 直葬(火葬のみ): 10万円〜30万円程度。
• 家族葬: 50万円〜150万円程度。 葬儀社と生前に契約を結んでおくことで、自分の希望を反映させ、費用の心配も解消できます。
お墓・供養の費用の目安
墓守(継承者)がいないおひとりさまには、永代供養が人気です。
• 一般墓: 約150万円(墓石代や永代使用料を含む)。
• 樹木葬: 約60万円〜70万円程度。
• 納骨堂: 約80万円程度。 「仏壇じまい」を検討する場合は、その処分費用も考えておく必要があります。
6. 医療と介護の備え:おひとりさまが直面する現実的なコスト
老後の安心には、住まいや生活サポート以外に、直接的なケアの費用も必要です。
• 医療費の予備: 入院時の自己負担額は平均約20万円というデータがあります。
• 介護費用の目安: 一時的な初期費用(リフォーム等)で約74万円、月々の介護費用が約8万円〜9万円かかります。 平均的な介護期間を考慮すると、総額で500万〜600万円程度の準備が望ましいとされています。
7. 費用を抑えて賢く準備する3つのコツ
すべてを完璧に業者へ丸投げすると、費用は膨らんでしまいます。 以下の工夫で、賢くコストを抑えましょう。
1. 自治体の無料サービスをフル活用する: エンディングノートの配布や無料の終活相談窓口を設けている自治体が増えています。 まずは役所のホームページをチェックしてみましょう。
2. 生前整理は「自力」で少しずつ進める: 体力のある40代〜50代のうちに不用品を処分・売却すれば、整理費用がかからないだけでなく、売却益を終活資金に充てることもできます。
3. 相見積もりを取る: 葬儀や身元保証などは、複数の事業者から見積もりを取り、内容と価格をしっかり比較しましょう。
8. 40代〜60代から始めるべき理由:お金と体力の「ゴールデンタイム」
終活を始めるのに「早すぎる」ということはありません。
• 40代・50代: ライフプランの見直しや資産形成(NISA、iDeCoなど)を始めるのに最適です。 体力があるうちに生前整理を進めることもできます。
• 60代: 具体的な契約や手続きの準備に入る時期です。
特に「任意後見契約」などの法的な契約は、しっかりとした判断能力があるうちでなければ結ぶことができません。 認知症になってからでは手遅れになるため、元気な今のうちに準備を進めることが最大の節約であり、安心につながるのです。
まとめ
おひとりさまの終活費用は、「現在の安心(見守り・保証)」「将来の備え(医療・介護)」、そして「死後の整理(葬儀・契約)」の3つのカテゴリーに分けられます。
総額で見ると大きく感じるかもしれませんが、優先順位をつけて一歩ずつ進めれば決して無理な金額ではありません。 終活は、自分の人生の舵を最後まで自分で握り、自分らしく生き抜くための**「自分への最高の贈り物」**です。
まずは、1冊のエンディングノートを用意して、気になった項目の費用をメモすることから始めてみませんか? その最初の一歩が、あなたの未来を確かな安心に変えてくれるはずです。
ほかにも、終活にまつわる記事を書いているので、ぜひ参考にしてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました

